千葉市
交通事故死多発に危機感 千葉県警、緊急対策開始 9月末時点131人、昨年上回るペース
千葉県内交通死亡事故が前年を上回るペースで発生し、危機的状況となっていることを受け、県警は19日から、「交通死亡事故抑止年末緊急対策」を開始する。例年と異なり、対策の実施期間を10、11、12月にそれぞれ9日ずつ設定し、短期集中して警察官を動員。特に、今年になって管内で5人以上の死者が出ている5警察署を重点地域に指定して信号無視やスピード違反などを取り締まり、事故抑止を図る。
県警によると、県内の交通事故死者は9月末時点で131人。前年同期と比べて27人も増えている。交通死亡事故を防ぐため、対策を短期集中しながら年末にかけて警戒態勢を維持しようと、対策期間を10月19~27日、11月1~9日、12月1~9日の3回に分散設定した。
特に警戒を強める地域は、今年の交通事故死者が多い警察署。佐倉(死者10人)、千葉北(同7人)、千葉東(同6人)、八千代(同6人)、四街道(同5人)の5署を重点地域に指定し、警察官や白バイを集中投入する。
対策時間も、事故の発生状況を踏まえて拡充。薄暮・夜間が中心だった例年と異なり、午前の事故が急増しているため、午前4~9時の早朝の時間帯にも警察官が街頭で啓発活動を展開する。県警交通総務課によると、午前4~10時に交通事故死者が49人発生し、前年同期と比べて24人増加している。
警察官の動員態勢は、県内全署が対策期間、一斉に街頭監視活動などを行う。重点地域の5署管内には、10月には交通機動隊員約30人に本部職員約30人を配置。11、12月はこれにおよそ20人を上乗せして厚く配備し、事故が多発する年末の抑止にもつなげる。
さらに、国道16、51、126号とその周辺で事故が集中していると分析し、同所で白バイによるパトロールなどを強化する。
県警によると、本県の交通事故死者131人は、愛知県の142人に次ぐ全国ワースト2位。
9月には千葉市若葉区でトレーラーが横転し押しつぶされた軽乗用車の3人が死亡し、3月には市原市で車線をはみ出した車が対向車と衝突して2人が死亡。昨年はなかった複数人が犠牲となる事故も2件発生している。
県警担当者は「事故原因は脇見や安全確認不足が多い。緊張感を持って」と安全運転を訴えた。